楽阿弥の話 楽阿弥のゆめが咲く「桃花源」桃、その不思議な力

桃源郷

中国では桃は「延命長寿」のシンボルとされています。 それがシンボルとなったルーツは、仙桃(せんとう)にあるとされています。 仙桃とは仙人の桃のことで、その話は古代の中国の伝説に出てきます。 昔、中国の西の果てに崑崙山(こんろん)という仙女の住む山がありました。 仙女の名は西王母(せいおうぼ)。仙女の中の仙女といわれています。 そこには蟠桃園(ばんとうえん)という、絵にも描けない美しい果樹園がありました。 そこで育てている不思議な木の果実、それが仙桃と呼ばれた不老長寿の桃でした。 この仙桃を食べると、いつまでも若々しく永遠の命を得られるとあります。 因みに、その蟠桃園のまたの名を桃源郷とか桃花源と呼んだのです。

桃の神さまの伝説

「古事記」に出てくる桃のお話。 伊耶那岐命(いざなぎのみこと)が黄泉国(よみのくに)から逃げ帰る時、 亡き妻である伊耶那美命(いざなみのみこと)は醜女(しこめ)を差し向けました。 しこめとは醜くケガレた死霊を指しますが、強い女という意味もあります。 その醜女に追いかけられ、黄泉の国と現世との境目まで逃げたとき、 それを見た白山菊理姫命が桃の実3個を投げつけたところ、 醜女たちは急に力を失って逃げ帰りました。 その桃の実には大神祇(おおかむづみ)という神さまの名までついているのです。 このように、桃には古代からすごい霊力があるとされてきたのです。

桃太郎のお話

あまりに有名なお伽話なので省略。 桃から生まれた桃太郎は鬼が島の鬼を退治しました。 桃太郎は吉備津彦のこととされていますが、なぜ桃太郎と呼ばれたのでしょう? 百千万をモモチヨロズと読みます。 モモは百を表し、また酒は百薬の長ともいいますから、 やはり桃には何ものをも制する強い呪力的効能があったのではないでしょうか。

桃の薬効

漢方では桃の種を割ると出てくる実を「桃仁(とうにん)」といいます。 桃仁は、漢方の世界ではとても重要な生薬で、女性の血の道症薬とされます。 便秘にもよく効き、桃葉は入浴剤として肌を美しくする効果があります。 白桃の花のつぼみも煎じると桃仁と同じ効果があるといわれています。 また、色彩心理学上でも、ピンク色は若返りの色、美人を作る色といわれています。

魔よけのシンボル

以上のように、桃の呪力は病魔や厄災を退治してくれる象徴として、 日本や中国でも魔よけ・厄除けのシンボルとされてきました。